第一回【ベテラン男性声優】堀勝之祐さん

(C)上橋菜穂子/偕成社/「精霊の守り人」製作委員会
只今、話題となっています「東のエデン」の監督・神山健治さんの作品で「精霊の守り人」というものがあります。
ヨゴ皇国の第二皇子チャグムが水妖を宿していることに、父帝は気づき、国の災いになる前に配下に暗殺を命じる。
それを悟ったチャグムの母は用心棒バルサを雇う。
この作品はバルサとチャグムの逃亡劇である。
劇中に鍛冶屋で主人公バルサとその追っ手が壁一枚で倒すべき相手への心象を変えてしまうワンシーンで、互いのイメージを変えるほどの重みのある発言をしていたのが、
堀さん演じる刀鍛冶です。
刀鍛冶は、双方の話を聴くために、武人と刀鍛冶が互いの信頼に基づいて造り、使うという名刀造りの話(バルサの師匠の話)をする。
追っ手はバルサが名刀使いになりえる人物だと確信し、そして、バルサは人を殺してはいけないことを再認識する。
一触即発のとても緊張感のあるシーンですので、ここで台詞に重みがなくては、作品の全てが台無しになってしまいかねないところ、丁寧な口調とアクセントの使い分け、間の取り方により、見事重みのある芝居をされてました。
近年、堀さんが名脇役としてキーパソンを演じていた作品に以下のものがあります。
- ラーゼフォン 弐神譲二
- もっけ 檜原の爺さん
- スカルマン THE SKULL MAN 立木恭一郎
いずれの作品も路頭に迷う主人公に対し、道を示唆する先導者として、地に足のついた芝居をすることによって作品が安っぽくならないように重みを与えています。
重みのある作品が少なくなっている現代アニメにおいて、こういった方が脇を固めることで、重みのある作品は絶滅せずに済んでいると思われます。
名脇役で重みのある芝居をしている方の一人として、石塚運昇さんもあげられると思います。
石塚さんは元々声が太いので、能動的な芝居が際立っていますが、堀さんは声が細い分、受動的な芝居が際立ってます。
発信する芝居というより、誰かの言葉に対しての受け流し方が上手い!!
よって、ただ先導者としての役というより、飄々と受け流す、掴みどころのない謎のキャラを演じていることが多いので、その作品を支えているところを見ると同時に、言葉の受け流しも注目して見てください。
最近では、
- 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST フー
- DARKER THAN BLACK ―流星の双子― パブリチェンコ博士
を演じていました。
フーは前作のアニメ版では出演していなかった原作キャラで、シン国の皇帝候補リンを支える数少ない家来として、見守る立場を貫禄のある芝居で上手くこなしています。
パブリチェンコ博士は堀さんの実年齢より相当若いので、違和感がぬぐいきれませんでしたね。今後の堀さんの課題になってくるかもしれません。
しかし、死に際の声のかすれた芝居は息の抜き方や間の置き方に事切れる感じが滲み出ていました。流石ベテランというところですかね。
アニメ業界まで不況の影響が届いていますが、このようなベテランの方のサポートで作品が良くなり、アニメ業界が潤沢になることを願っています。
(ライター: A.NIKI )













